2021.01.18
近年、コーポレートガバナンスに関しては、社外取締役、社外監査役等の社外役員の重要性が強調されています。
もちろん、企業内では、経営者や上司には抗えない雰囲気があったり、独特の慣習や企業風土から不正行為が問題視されずにきている場合も多いため、人間関係や利害関係のない社外の役員が常識的視点から検証することは有益といえます。社外役員を増やしていくことでガバナンスの健全化を図るという方向性自体は正しいものと思われますので、大いに賛成です。
しかし、社外役員を就任させればそれでいいというものではなく、機能させなければ意味がありません。私自身の社外役員の経験からしても、就任すれば直ちに期待に応えられるような働きをできるかというと、とてもそうは思えません。社外役員にも会社の事業に関する情報が十分に提供され、会社の動きが適時に把握できるような体制が整えられることが不可欠なのです。
ところが、このような体制を整えるための具体的方法は、会社によってさまざまな態様があり、法令で一律に決められるものでもありません。それぞれの会社の事業内容や実情に合わせて、最も社外役員が期待されている機能を発揮できるような体制を模索しなければなりません。しかし、この体制模索こそが難題なのです。社外役員は、「社外」であるがゆえに、何が会社の事業内容や実情に合うかの情報をもともと持ち合わせていません。自らに期待されている機能を発揮するための体制を模索することが、社外役員にとって最初に直面する課題であり、この課題を解決することが社外役員の最大のテーマであると言っても過言ではないと思います。